設立趣旨
一般社団法人日本航空教育都市構想推進協議会(以下「JCAPI」という。)は、新成長産業として注目されている航空産業を支える航空技術者(航空整備技術者、航空機製造技術者および空港関連従事者など)の養成基盤となる教育機関創設を推進し、国内外における航空技術者の安定的な供給および地方経済の活性化ならびにアジア地域等への国際貢献活動に寄与することを目的として2016年4月に設立いたします。
近年、アジア地域を中心とする経済発展に伴う航空需要の増加により、航空産業の需要を誘引するMRO(Maintenance, Repair and Overhaul:整備・修理およびオーバーホール事業者)ならびにFBO(Fixed Base Operator:運航支援事業者)の需要が拡大し、航空技術者のニーズが拡大することになりました。さらに、国策としてMRJなど新型国産機の開発および防衛省機の民間転用も進められており、当該プロジェクトの成功には、航空機の運用および保守に関するサポート体制、MRO体制の構築など如何に整備するかが課題となっています。
一方、中国、台湾、韓国ならびにシンガポールでは、既に国策としてMRO事業の強化に取り組んでおり、その結果、我が国においては航空産業の市場を海外勢に席捲されることになり、国内の航空産業は貴重な外貨をアジア地域に流出させ、拡大するビジネスチャンスを逸失することとなっています。
我が国において航空産業が発展する上では、事業の拡大だけでなく、体制の構築を含め航空産業を支える人材を計画的に養成し安定的に供給することが必要不可欠です。
しかしながら、航空技術者の年齢構成のひずみに伴う退職者の大幅な増加が予測され、近い将来、国内だけでなくアジア全域においてグローバルな需要に対応できる人材の不足が懸念されています。航空技術者の不足が、航空産業発展の足かせにならないよう航空業界を挙げてこの人材問題に対応することが急務となっています。
この状況に鑑みて、JCAPIは、アジア地域等における航空技術者の人材不足への対応策の一つとして、航空産業に関連する教育・訓練・研究開発を集積した航空教育都市構想の実現を目指します。この構想の実現が地域経済活性の原動力となるように、関係する多くの企業と力を合わせて航空産業に関する情報を収集、調査、分析し、その活動成果を航空産業へフィードバックするとともに、実効性のある実現案を地方自治体、官公庁ならびに政府に対して提案することで航空産業の更なる発展に寄与する所存です。
JCAPIの活動が航空産業の明るい未来につながることを切に祈念しつつ、業種業態の異なる様々な法人・個人のご参画をお願いする次第です。
一般社団法人日本航空教育都市構想推進協議会
設立者一同